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雨樋の話し その2    [Architecture]

軒樋・タテ樋の設計は、地域により降雨量が決まっていまして、

ame_map_01.png

このような雨量にて設計することになっています。

ですが、ゲリラ豪雨や雨台風などでは、この数値より大きくなり雨樋から雨水が溢れでてきます。

まぁ~、非常時までの対応を雨樋に頼らなくて良いという考え方ですかね。



既製品の雨樋は、経験と計算で作らています。

この図は、軒先の断面図(4寸勾配)に雨水の流れ(赤色)を示しています。
Toi_01.png

左側からそれぞれ、カラーベスト葺き、平瓦葺き、洋瓦葺きとなっています。

2本の赤線のうち、左側は雨量が多いとき、右側は少量のときの流れの軌跡です。

屋根勾配により、水上という寸法を変えて設置しています。

ということで、雨の量に関わらず雨樋に入っていくようになっています。





おまけ

雨水はタテ樋の先は何処へ行っているのでしょうか?

これも地域により異なります。

東京都(一部の地域を除きます)の場合は、生活排水(雑排水+汚水)と一緒になり下水に排水されています。 

これを合流といいます。 

それ以外は分流になるわけですが、生活排水と雨水を分けるタイプです。




分流地域の内でも雨水を下水に流せる地域と流すことができない地域があります。

流すことのできない地域は、宅地内処理をしなさいということになります。

この宅内処理地域で多くみられのが、浸透枡(枡の底が無く、土の上に砂利を敷いたもの)による排水です。

つまり、降った雨を土に戻すという考え方です。

しかし、実質的には水はけの良い地域ばかりではなく、雨水が溢れるケースも多く、

蓋が大雨のときに浮いてしまったりしています。

排水の話しになってしまいました。




続くかな?・・・




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荷重(積雪)の話し その3 追記    [Architecture]

楽しく生きようさんの記事を読んで気になったので追記します。
リフォームの設計依頼が来たときに太陽光発電パネルを屋根に設置したいというお客様がいます。

1234.jpg

そのまま既存の屋根(木造住宅など)に「太陽光発電パネル」を載せることは、
よく調査・検討する必要があります。  では、どうするのか?
まずは、既存建物の小屋に使っている部材を調査し検討します。


太陽光発電パネル」を載せるということは、既存の屋根に固定荷重が加算されます。
荷重は、概算で10~20kg/㎡です。
まぁー、大きな荷重が増える訳ではないのですが、屋根を構成している部材によります。


例えば、東京の木造建築の場合、
・・・防水紙・・・野地板(のじいた)・・・垂木(たるき)・・・母屋(もや)・・・小屋束(こやづか) という構成になります。
ここで、一番問題になるのが、垂木です。
一般的に、必要以上の垂木が施工されていることは少なく、その屋根材に適した部材(大きさ)になっています。
そこに上記の荷重が加算されてくるのですから、よく検討する必要があります。


調査・検討した結果、下記のようなケースが考えられます。
瓦葺きの屋根(重い屋根)において、カラーベスト葺きなど(軽い屋根)に変更していただき、
さらに、垂木(たるき)のサイズチェックをし、大丈夫なのか、補強するのか、大きなものに変更するのかします。
つまり、結構な費用がかかります。


カラーベストの屋根(軽い屋根)の場合は、上記とほぼ同じでして、垂木を補強または交換になります。
こちらも、結構な費用がかかります。


木造建築の場合は、屋根にそれほど大きな荷重が長期で掛かるという想定になっていないので、
ちゃんと調査・検討し、屋根材まで交換する必要になるケースもあることを承知してください。


では、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、大丈夫なのか?
木造よりは余裕がでてしまうので、この程度であれば・・・
この辺の説明をすると、長い話しになるので割愛します。
しかし、荷重が増えますので、検討する必要があります。



おまけ
「鉄筋コンクリートや鉄骨で作った家は木造より地震などに強いでしょ?」と聞かれることがあります。
私は、「どの工法も強さの強弱に変わりはありません」と回答します。
つまり、建築基準法という法律の中(最低基準を定めています)でどれも作っているので同じなのです。
(最低基準とは、外力に対して全然余裕がないのではなく、それなりの余裕を考慮した最低基準です)
工法に優劣はないのですが、各々の建物でどれだけ余裕を持った建物になっているかが重要になってきます。
また、必要以上の設計や施工を初めからする場合もあります。
例えば、NTTなどは独自の基準を設け、より余裕のある建築物を作っています。



構造部分の法律で大きな改正が、昭和56年に行われいます。
56年より木造建築の場合、鉄筋を入れなければならなくなりました。
ということは、それ以前の木造建築には、殆ど鉄筋が入っていない建物であったということです。
リフォームで基礎から上の補強はできますが、基礎の補強まではなかなかできないのが現実です。


おまけが書ききれないほどの量があるのですが、次回のどこかで記事にできればと思います。


終了・・・


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荷重(積雪)の話し その2    [Architecture]

積雪荷重の続きですが、このいろいろある荷重を以下のように分類して使われます。

雪に対しては、一般地域多雪地域に分類し、

荷重の時間別で長期荷重短期荷重に分類しています。



これを表にすると

Load_01.jpg


東京(23区)は一般地域になりますので、長期荷重に積雪は入らず、短期荷重にだけになります。

建物の短期は、長期の1.5倍の力まで耐えうるという考え方になっています。

これは、人が10kgの荷物を長く持てないけど、少しの時間だったら持っていられるって感じの考えですね。




今回の雪で、潰れたりした建物(建物の一部を含む)は、上記の荷重以上の積雪があったと考えられます。

とここまでは、一般的な回答ですが、実質的には、作ってはいけない地域に作ってしまったものや

上記荷重以下で壊れてしまうものを作ったというのが現実的でしょう。



例えば、住宅のテラス的なポリカーボネートで造られた庇(屋根)などは、今回の積雪では危険です。

また、カーポートの屋根も柱が片側しかないタイプは東京23区であれば、まだOKですが、

八王子辺りですと潰れています。

S_01.jpg


S_02.jpg

TAKOBLOG さんから画像をお借りしました。 




おまけ

雪止めについて

住宅などの勾配のある屋根の場合には、雪止めを設置している家が多いですね。

しかし、東京では、北側だけに設置しているケースも見受けられますが、

できれば、東西南北の全てに設置しておきたいですね。

方角に関係なく、隣地境界に近いとか(フェンスに雪が落下して曲がるケース)

カーポート、若しくはカーポート屋根が近いとか(上記画像のようなケース)という場合には

設置する方がいいです。 つまり、落雪による物損が良くあります。




終わり。


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荷重(積雪)の話し その1    [Architecture]

昨日、suzuran6 さんからお題をいただいたので、「荷重の話し」を少ししましよう。



今回の雪で、ガレージの屋根が潰れたという報道がされています。

若しくは、簡易的なアルミ製庇や土庇の下敷きになり命を落とされた方も今回の雪でいらっしゃいます。

そこで、建築物の設計では、雪の荷重はどのようになっているのかを下記に記載します。

なるべく簡単にご説明します。



まず、荷重は、下記のように分類されています。

固定荷重・・・建物自体の重さ

積載荷重・・・建物に乗る重さ(家具・人間など)

積雪荷重・・・屋根などに降り積もった雪の重さ

風荷重(風圧力)・・・風の力

地震荷重・・・地震よる揺れの力

その他として、地下などは土圧水圧などがあります。

Load_02.jpg


今回は、この中の積雪荷重について、お話しします。



基準となる雪の重さ(積雪の単位荷重)は、

建築基準法で20N/cm /㎡以上(地域によって30Nなど)で

考えなさいということになっています。

N(ニュートン)表示ですと、分からない方もいると思いますので、kg表示にすると、

1mx1mの面積で高さ1cmにつき2kgということになります。



都道府県ごとに決められた数値がありまして

東京都(23区)・横浜市・川崎市・横須賀市・厚木市などは、30cm  

国立市・府中市・相模原市・秦野市などは、35cm  

八王子市・日野市などは、40cm

新潟県などは、市町村により60cm~400cm、山間部もあるので、きめ細かく指定があります。

つまり、東京23区ですと、30cm x 2kg =60kg/㎡ となります。

新潟の400cm 地域ですと、400cm x 3kg =1200kg/㎡ となり、 とても大きな荷重になりますね。

つまり、1m四方に大人20人ぐらいが乗っているということになります。




式の方が分かる方には、

積雪荷重S(N/m2)=垂直積雪量d(m)×積雪の単位重量ρ(N/m3) 

となります。




上記で、雪の単位荷重は、20N/cm /㎡と記述しました。

ちょっとよく考えると、軽くないか? と思いませんか?

1㎥に換算すると、2000N/㎥(200kg)なります。

水は、10000N/㎥ (1000kg)ですから、水の20%の重さ(比重)で考えていることになります。

現実的には、一度融けた雪が融けきらずに再度凍ると重い雪になり、

積雪量が同じでも、荷重が大きくなることもあります。




続く・・・


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雨樋の話し その1    [Architecture]

2週連続の積雪でしたね。 今週の水曜日も雪マークの天気予報ですが、雨になって欲しいものです。

そんなこともあり、「雨樋の話し」でもしましょうか。



雨樋は、平安時代からあったらしく、雨水を集めて飲料水として使うための道具であったと聞いています。

ただし、これも大きな建物である寺社や上流社会の建物に限ります。

庶民は、「草葺き(くさぶき)」や「茅葺き(かやぶき)」であり、軒先で作業するような場所には

庇(ひさし)や土庇(どびさし)を設けていたため不要でした。

江戸時代になると商業が盛んになるにつれ、都市化(江戸、大阪や城下町など)が進むことで密集し、

軒先から落ちる雨水が隣家の壁や土台に跳ねるなどの影響が出てきて、雨樋を付ける家が増えてきます。


要するに、当初、雨水利用として使われていたものが、建物を守るために使われるように変わったということです。



豆知識

は、窓上などに付けれている軒の出が小さい屋根のこと。
Hosashi_01.jpg


土庇は、柱を設けて、庇を大きくしたものです。
Dohisashi_01.jpg




ちょっとkoh925さんの「昭和記念公園(116)<雪の日本庭園>」の中の1枚をお借りして説明してみましょう。

歓楓亭(かんふうてい)の玄関の写真です。
Kanhuutei_01.jpg

玄関の前に柱を設けて大きな庇が付いていますが、これが土庇になります。

また、よく見ると人が通る部分にしか雨樋が付いていません。  茶室の通常の手法ですね。

それも、竹の雨樋が多いです。




平面図から見ますと
madori_01.gif

広間、次の間の前にも土庇があるのが分かります。 小間の前にもありますね。

このように数寄屋建築には、多様されている手法のひとつです。

訂正:広間側は、正確には土庇ではないですが、土庇風に母屋からの屋根を大きく突き出しています。




今の建築でも雨樋を付けたり、付けなかったり・・・

雨樋を付ける建物は、ご存じの通り、住宅やビルなど一般的には付けます。

付けないケースとして、茶室、別荘(山中)、寺社(一部)などですね。

また、廻りの樹木(落葉樹)が建物より高い場合の建物は付けないケースもあります。




続く・・・





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たたみの話し その4 ラスト    [Architecture]

前回は縁(ふち)の話しをしましたので、今回は、たたみ表(おもて)について、少しだけ。

TATAMI_09.jpg

たたみ表は、どのように作られているのか。

藺草(いぐさ)を原料として造られています。

藺草を緯糸(よこいと)に麻糸を経糸(たていと)として織られたもです。



藺草は、12月から1月にかけて稲と同じように水田に苗を植えます。

5月の中旬に藺草の倒れを防ぐために、一度、40cmぐらい残して刈ってしまいます。

そして、7月上旬ごろに収穫することになります。



刈り取られた茎は、そのまま干してしまうと褐色になってしまいます。

そこで、染土(せんど)をとかした泥水の中に藺草を漬け込んでから乾燥させます。

そうして出来上がった藺草を織っていけばでき上がります。



『くまもと畳表』 熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会




織り方もいろいろありまして。

経糸の数(目数)によって、目積表(めせきおもて)、諸目表(もろめおもて)、九目表七目表の種類があります。

目積表から順に目数が減っていきます。

目積表・・・67目、諸目表・・・61目、九目表・・・59目、七目表・・・47目

また、最近は、たたみ屋さんも工夫していまして、

古くからある織り方を応用して、変わり表(大目織り、掛川織りなど)もあります。

最近は、「目積表の薄畳」、「縁なし畳の半畳敷き」とかが好まれています。




以上、たたみの話しは、これにて終了。

また、何かあれば追記します。





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たたみの話し その3    [Architecture]

畳の構造(構成)

畳は、たたみ表(おもて)、たたみ床(どこ)、縁(ふち)からできています。

TATAMI_09.jpg


たたみ表ですが、藺草(いぐさ)を編んだものです。

これも取れる産地によって、結構、違いがあります。

最近では、いろんな編み方があるので、表替えをするときは、

お好きな編み方を選んでも楽しいと思います。




たたみ床は、藁(わら)を糸で刺し固めたものです。

こちらも、産地により、結構、違いがあります。

床の話しを詳しくすると、かなりの長文になるので、省略します。

良いものを求めるなら、高額な床が良い床ということではなく、誰が作った床なのかが重要ですね。




たたみのは、たたみの目の二つ分となっています。

たたみの目も織り方によって違いますが、縁の幅は、27mm(九分)から30mm(一寸)ぐらいになります。

しかし、高麗縁などは、紋様が大きいため、もっと幅のある縁になっています。

Huchi_00.jpg





現在の一般住宅のたたみは、化学畳の薄畳が主流です。

バリフリー住宅が騒がれるようになり、建物内の床がフラット(3mm以下の段差まで)に設計・施工されています。

そこで、化学畳の薄畳が普及しています。

この畳の厚さは、13mm、15mmの製品が多く、芯材は発泡スチロールやパーティクルボードになっています。

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防虫処理したシートを中間に入れたり、とても今風ですね。




昔は、たたみの下は、荒板(あらいた)を張っています。  もちろん、隙間だらけです。

この隙間が通風してくれていたのですが、現在の建物は、

断熱材を入れた後に合板を張り込んでしまうことで、通風が取れなくなっています。

そういうこともあり、この化学畳は重宝しています。



続く・・・



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たたみの話し その2    [Architecture]

たたみ」のことわざ(諺)


1.起きて半畳、寝て一畳

2.千畳敷に寝ても一畳

3.畳水練 ・ 畳の上に水練 ・ 畳の上に陣立て

4.女房と畳は新しい方がよい

5.悪人は、畳の上では死ねれぬ

などなど、ありますね。




また、「新しい畳でも叩けば埃がでる」ということわざもありますが、

畳は、藁(わら)や藺草(いぐさ)で作っていますので、新しくても叩けば埃はでます。




畳の四つ目は、縁起が悪い」と言われています。

畳の角が四か所になることは、畳屋にとって苦労するところで、逃げのない納まりになります。

つまり、畳屋にとって縁起が悪いという話し。




縁起というと、敷き方で祝儀敷き、不祝儀敷きがあります。

祝儀敷き(一般的な敷き方)
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切腹の間(中央に堀コタツをする場合は仕方なく中央に半畳を設置)、不祝儀敷き(お寺や宴会場)
TATAMI_10.jpg

となります。 4.5帖の部屋の場合の半畳は、下座に設けます。

また、主な出入口は、たたみの目に合うような敷き方にもします。

これは、たたみ表の摩耗を少しでも防ぐということからですね。






畳が部屋に敷かれるような時代になると、畳割りからモジュールが決まってきます。

このモジュールで造ると京間になります。

また、柱の間隔を決めてから畳を敷くのが、江戸間になります。

ですので、同じ8帖であっても、かなり部屋の大きさは違ってきます。

つまり、京間の畳は、順番を間違えても敷き込めますが、江戸間は、畳の裏に番号を付して

敷き込む場所が決まってしまいます。





今の一般木造建築は、建設資材により割り付け(モジュール)られています。

現在の合板は3x6(サブロク)、3x8(サンパチ)という大きさになっていまして、

3x6板は、910mm(3尺) x 1820mm(6尺) となっています。

ただし、尺貫法をメートルに直すときは、3尺は909mm、6尺は1818mmにしています。

この910mm x 1820mm という建材の影響もあり、

木造住宅などでは、910モジュールにて設計されることが多いのです。




続く・・・





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たたみの話し その1    [Architecture]

ラジコン・ネタも乏しくなっているので、本業関連の話し。


駅員3さんが、「たたみ」の記事をUPされると聞いて、江戸以前の話しを少しだけ。 

(江戸の話しは、駅員3さんにおまかせします。 また、重複していたら、ごめんなさい。)

自分は、建築設計をしていることもあり、若干、詳しいだけですが、間違っていたら、指摘してください。




まず、たたみの語源ですが、畳は敷物全般を指していました。

それは、「たたむ」ということから来ていまして、「折り返して重ねる」という意味もあります。

たためるもの、重ねるものから敷物全般を「たたみ」という起源のようです。

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では、いつ頃からということですが、神武天皇の時代にはありました。

菅畳(すがだたみ)」、「皮畳」、「絁畳(きぬだたみ)」というものが日本書記に記載されています。

ryuubin2.jpg



平安時代では、たたみは上流社会において部分的に使われており、

鎌倉時代から室町時代にかけて、少しずつ広がって、部屋全体に「たたみ」が敷かれるようになります。

それでも、上流社会だけのこと。 

やっと江戸時代に入ってから一般庶民に広がっていきます。・・・あとは駅員3さんにおまかせ

ですので、京都御所などにみられるような板貼りの床で、

天皇が着座される部分に厚畳が置かれているという使い方です。

お雛さまを見ると、よく分かるかと思います。 

Gosho_01.png

つまり、権力の象徴でもありました。




たたみには、縁(ふち)がありますが、この縁も京都御所などでは、身分によって縁が変わります。

つまり、身分によって入れる部屋が違っていまして、部屋によって縁が変わっていたということです。

当然、位が上がるほど上質な縁になっていきます。

Korai_01.jpg



続く・・・





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